特別対談「法政大学が考える就学力とは?」

大学教育は実はいい線をいっていると思っています。(藤村)

学生の就業力を育てるという今回の取り組みは、法政大学の理念である自立型人材の育成を推し進める具体策のひとつと考えています。これまで学生にも、企業にも大学で学んだ内容と仕事で求められる能力はイコールではないという思い込みがありました。

しかし、私の専門である人事労務の研究から見ても、また、20年以上の教員経験から言っても、大学で学ぶことの8割は社会が求める能力の養成につながっていると考えています。これを整理したものが「文書作成力」「情報収集・分析・発信力」「状況判断・行動力」という3つの就業力です。

大学教育は実はいい線をいっていると思っています。

何のために学ぶのか。その意識を持つことでさらに効果は上がるでしょう。(佐々木)

確かに大学教育は、社会で生きるための力を育てる大切な役割を担っていると思います。物事を論理的に考える習慣や問題を発見する力、チームワーク力などを身につける機会が実はたくさんある。付け加えるなら、その機会をしっかりと生かすために、この知識は何のために必要なのか、この講義はこういう意義があって学ぶんだという意味づけを常に行うことで、学生の意識は、さらに高まると思います。

なぜいまこの知識を学ぶのか、それは社会のどこで生きてくるのかを、学生はもちろん、我々教員も意識していく必要があると考えています。例えば、身につく力をシラバスに明記することなどは、そのための仕組みの一例です。

何のために学ぶのか。その意識を持つことでさらに効果は上がるでしょう。

大学時代、積極的に物事に取り組んだ人は、例外なく社会でも伸びます。(藤村)

私が入社3年目くらいの新人を見ていて大きな差を感じるのは人生とか仕事に対する「意欲」です。思い通りにならないことがあっても、それでも物事にポジティブに取り組む姿勢を持っている人は必ず伸びます。それは、学生時代にどれだけ問題と向き合い、乗り越えてきたかに左右されるのではないでしょうか。

そのためには、まず行動することが大事ですね。講義やゼミ、クラブ・サークルの活動、アルバイトなど、自分から積極的に人と関わるなかで、自分のこだわりや興味を見つけ、自分を確立していってほしい。結局はそれが意欲にもつながるのだと思います。

大学時代、積極的に物事に取り組んだ人は、例外なく社会でも伸びます。

大学と企業の対話を活発にすることが大事ではないでしょうか?(佐々木)

おそらく大事なのは大学側がどういう方針で教育しているかを企業に伝えることでしょう。同時に、企業側もどのような人材を求めているか、その対話を活発にしたいと考えています。幸い、法政大学にはさまざまな分野で活躍する卒業生がいます。その力をぜひお借りして、学生が自分の興味がある分野の先輩から、直接仕事の苦労ややりがいを聞くことができれば、学生の社会を見る目、仕事に対する視点が変わるだろうと期待しています。

いまは大企業の役員を務めている人も、入社したときは中小企業だったという例が少なくありません。つまり、自分たちの力で会社を大きくした。そういう人の話しを聞くことは、小さくても可能性にあふれた産業に目を向けるきっかけになるかもしれません。世界のなかで、日本が変わらぬ存在価値を持つためには企業と大学、さらには高校が、ともに新しい社会をつくるという意識を持つ必要があります。その一翼を担うと考えれば、なかなか挑戦しがいのあるおもしろい時代に生きているとも言えるのではないでしょうか。

大学と企業の対話を活発にすることが大事ではないでしょうか?

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